【2月の相続News】相続不動産の空き家特例(空き家の譲渡所得の3000万円特別控除)について

今回は、相続不動産の空き屋特例について簡単に解説をしていきます。

実務において、この「空き家特例(空き家の譲渡所得の3000万円特別控除)」は、古い実家を相続した方にとって数百万円単位で手残りが変わる非常に強力な武器です。

2026年の最新ルール(2024年以降の改正適用後)に基づき、要件と注意点を整理して解説します。


1. 空き家特例の基本概要

相続した実家が「空き家」である場合、その不動産を売却して得た利益(譲渡所得)から、最高3,000万円まで控除できる制度です。

通常、不動産を売却すると利益に対して約20.315%(所有期間5年超の場合)の税金がかかりますが、この特例を使えば最大で約600万円の節税が可能になります。

【計算式】

不動産の売却益の計算は以下の通りです。

売却益= 売却価額 – (取得費 + 譲渡にかかる費用等)

取得費については購入価額を資料で確認できる場合はその金額を確認し、建物については経年減価も加味された金額にて評価します。年数の経過により、購入金額に関する資料が残っていない場合等は売却額の5%(のみ)を取得費(原価)として計算します。通常であれば、建物の減価であったり、取得原価がわからず5%評価とすることで売却益が発生することが多いため、少なくない金額を譲渡所得税として納税しなければなりませんが、空き家の特例が活用できる場合は売却益から3,000万円の特別控除を受けられるというのが最大のメリットになります。


2. 絶対に外せない「3つの基本要件」

この特例を受けるには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 建物の築年数:1981年(昭和56年)5月31日以前に建築されたもの(旧耐震基準の建物)であること。
    • ※区分所有建物(マンションなど)は対象外です。
  • 居住の状況: 亡くなった方が亡くなる直前まで一人で住んでいたこと。
    • ※老人ホーム等に入所していた場合も、一定の要件を満たせば対象になりますが、入所後に他人に貸したりしていた場合はNGです。
  • 売却の期限: 相続が始まった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。

3. 2026年現在の「緩和ルール」と「注意点」

2024年の改正により、2026年現在は以前よりも使いやすくなっていますが、新たな制限も加わっています。

① 「売った後」の工事でもOK(緩和)

以前はこの特例を適用するためには、「売却するまでに」相続不動産の耐震リフォームを完了させるか、更地(解体)にする必要がありました。

現在は、売買契約で「買主が翌年2月15日までに解体・耐震工事をする」と約束していれば、現状のままで引き渡しても特例が受けられます。

※重要: 2026年2月号の記事でも触れた通り、「翌年2月15日」までの工事完了が必須です。

② 相続人が3人以上なら「2,000万円」に減額(制限)

ひとつの空き家を3人以上の相続人で分けて売却する場合、一人あたりの控除額は3,000万円ではなく2,000万円に引き下げられます。

  • 相続人1〜2名:一人につき最大3,000万円
  • 相続人3名以上:一人につき最大2,000万円

4. 1億円の壁

売却価格(代金)が1億円を超えると、この特例は一切使えなくなります。

ここで注意が必要なのは、**「分割して売っても、合計で判定される」**という点です。

 例えば、土地を2つに分けて、2025年に5,000万円、2026年に6,000万円で売った場合、合計1.1億円となるため、特例は受けられません。

以上の要件を元に、相続不動産の売却を検討される場合、まずはこの特例が適用可能か、可能であれば、売却を視野に入れた活動を少しずつ行っていく必要があります。

弊所では、適正な売却査定を行う士業グループが運営を行う専門業者と提携して、相続不動産の売却価格の無料査定を行っております。売却の検討はもちろん、まずは金額の確認をしておきたい場合などにも対応をして頂いておりますので、是非ご活用ください。無料不動産査定を希望される場合は電話・LINE・メールフォーム等からご連絡くださいませ。