相続手続きは自分でできる?手続きごとの難易度と、途中から専門家に任せる方法

「相続の手続きは、専門家に頼まず自分でできるのか」。結論からお伝えすると、相続手続きの多くは、ご家族が自分で進めることができます。ただし、手続きによって難しさに大きな差があり、戸籍の収集や遺産分割協議書づくりで時間がかかったり、途中で止まってしまったりする方も少なくありません。大切なのは、全部を自分でやるか全部を任せるかではなく、「どこまで自分でやり、どこから任せるか」を最初に見きわめることです。

このページでは、相続手続きを手続きごとに5段階の難易度で整理し、自分で進められるケースと任せたほうがよいケース、つまずきやすいポイント、そして途中まで進めてから専門家に任せる方法を、相続手続きを専門にしている行政書士がまとめました。

この記事の要点

  • 死亡届や年金の停止、銀行の解約などは、自分で進める方が多い手続きです(難易度★1〜2)。
  • 時間がかかりやすいのは戸籍の収集と遺産分割協議書の作成。兄弟姉妹が相続人になる場合などは難易度が上がります(★3〜4)。
  • 相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士の専門分野です。自分で行うこともできますが、難易度は高めです(★3〜5)。
  • 途中まで集めた戸籍や書類は、そのまま引き継いで専門家に任せることができます。

自分で進めるか迷ったら、まず全体の見通しを

弊所では、戸籍の収集から始まり、名義変更に至るまでの一連の相続手続きについてご相談いただけます。相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士と連携してサポートしています。無料相談で「どこまでご自身でできそうか」をお伝えします。

受付:平日9:00〜19:00。夜間・土日祝のご相談は、LINEのチャット・メール・お電話でご相談ください。オンライン相談(ビデオ通話)は全国からお受けしています。

相続手続きの難易度一覧(自分で進める場合の目安)

手続きごとに、ご家族が自分で進める場合の難しさを5段階で表しました。難易度は、弊所でご相談を受けてきた経験からの目安です。相続人の人数や財産の内容によって、上下することがあります。

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手続き難易度かかる時間の目安つまずきやすい点
死亡届・火葬許可★☆☆☆☆1日(葬儀社が代わりに出すことが多い)期限は7日以内
年金・健康保険・世帯主変更★★☆☆☆半日〜1日窓口が複数に分かれる
戸籍の収集(父母・子が相続人)★★☆☆☆2〜4週間本籍地が何か所もあると、その分だけ請求が続く
戸籍の収集(兄弟姉妹・おいめいが相続人)★★★★☆1〜3か月故人の父母の出生までさかのぼる。広域交付が使えない
相続財産の調査★★★☆☆1〜2か月ネット銀行・証券、借金の見落とし
遺産分割協議書の作成★★★☆☆2週間〜1か月財産の書き方の不備で、銀行や法務局で受け付けてもらえない
銀行・証券口座の解約★★☆☆☆1つの金融機関につき2〜4週間金融機関ごとに書式と必要書類が違う
相続登記(不動産の名義変更)★★★☆☆1〜2か月申請書の書き方と、法務局からの補正の連絡
相続税の申告★★★★★3〜6か月土地の評価と特例の判断。期限は10か月

相続登記と相続税の申告は、それぞれ相続登記は自分でできる?・相続税申告は自分でできる?で詳しく解説しています。

自分で進めやすいケース・任せたほうがよいケース

自分で進めやすいケース

  • 相続人が配偶者と子だけなど、少人数で関係がはっきりしている
  • 故人の本籍地の移動が少なく、戸籍が1〜2か所でそろいそう
  • 財産が預貯金と自宅くらいで、金融機関も2〜3か所
  • 相続人どうしで分け方がすでに決まっている
  • 平日に役所や銀行へ行く時間がある
  • 相続税の申告が必要ない(遺産が基礎控除の3,000万円+600万円×法定相続人の数を下回る)

専門家に任せたほうがよいケース

  • 兄弟姉妹やおい・めいが相続人になる(戸籍の量が一気に増えます)
  • 前の結婚での子や、連絡を取ったことのない相続人がいる
  • 相続人が遠方に住んでいる、海外にいる
  • 金融機関や証券会社が多い、財産の全体が分からない
  • 借金がありそうで、相続放棄を考えている(期限は3か月)
  • 相続税の申告が必要になりそう
  • 仕事や介護で、平日に時間が取れない

「任せたほうがよいケース」に1つでもあてはまる場合は、すべてを自分で抱え込まず、つまずきやすい部分だけでも専門家に任せることを考えてみてください。

自分で進める場合の手順

  1. 期限の短い役所の手続き:死亡届(7日以内)、年金・健康保険(10〜14日以内)。詳しくは相続手続きの流れをご覧ください。
  2. 遺言書の有無を確認する:自筆の遺言書は、法務局で保管されていなければ家庭裁判所の検認が必要です。
  3. 戸籍を集めて相続人を確定する:故人の出生から死亡までの戸籍と、相続人全員の今の戸籍。古い戸籍は除籍謄本・改製原戸籍の取り方、兄弟姉妹の分は兄弟姉妹の戸籍謄本の取り方を参考に。
  4. 財産を調べる:通帳・郵便物・固定資産税の通知書を手がかりに、預貯金・不動産・株・保険・借金を確かめます(相続財産の調査方法)。借金が多い場合は、3か月以内に相続放棄を検討します。
  5. 遺産の分け方を話し合い、遺産分割協議書を作る:相続人全員の署名と実印の押印、印鑑証明書が必要です(遺産分割協議書の書き方)。
  6. 法定相続情報一覧図を作る(任意):戸籍の束の代わりに使える1枚の証明書。金融機関が多い方は便利です(法定相続情報一覧図の作り方)。
  7. 銀行・証券・不動産の名義変更:金融機関ごとの手続き(預金解約と株式移管・銀行・信用金庫の相続手続き窓口一覧)と、法務局での相続登記(3年以内の義務)。
  8. 相続税の申告(必要な場合):亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

すべて自分で進めると、早くても半年、財産や相続人が多ければ1年近くかかることもあります。

途中でつまずきやすいポイント

ご相談にいらっしゃる方の中には、「途中までは自分でやってみたけれど、ここで止まってしまった」という方がたくさんいらっしゃいます。よく伺うのは、次のような場面です。

  • 戸籍がつながらない:古い手書きの戸籍が読めない、次の本籍地が分からない、郵送で請求したら「関係を示す書類が足りない」と戻ってきた。
  • 相続人が思っていたより多かった:戸籍を集めたら、知らなかった兄弟や前の結婚での子が見つかった。
  • 金融機関ごとに書類を出し直している:銀行から「協議書の書き方が違う」「戸籍が足りない」と言われ、何度も窓口に通っている。
  • 法務局で補正を求められた:相続登記の申請書を出したら、書き直しや追加の書類を求められた。
  • 期限が近づいてきた:相続税の申告(10か月)や相続登記(3年)の期限が気になり始めた。

ここまで進めたけれど…という方も、そのままご相談ください

集めた戸籍や書類は、そのまま引き継いで続きを進められます。戸籍・住民票をすべてご自身で取得してお持ちいただける場合は、各プランから20,000円をお値引きしています。相続登記は提携の司法書士、相続税の申告は提携の税理士と連携してサポートします。

受付:平日9:00〜19:00。夜間・土日祝のご相談は、LINEのチャット・メール・お電話でご相談ください。オンライン相談(ビデオ通話)は全国からお受けしています。

途中から専門家に任せるときの進め方

「最初から頼まなかったから、今さら頼みにくい」と思われる方もいらっしゃいますが、途中からのご依頼はまったく珍しくありません。むしろ、ご自身で集めた書類があるぶん、話が早く進みます。ご相談のときは、次のものをお持ちください(お手元にあるものだけで構いません)。

  • 集めた戸籍・除籍謄本・住民票
  • 通帳や残高の分かるもの、固定資産税の課税明細書
  • 作りかけの遺産分割協議書や財産のメモ
  • 金融機関や法務局から受け取った書類・連絡のメモ

弊所では、集まっている書類を確認して「足りないもの」と「この先の段取り」を整理したうえで、戸籍の残りの収集、相続関係説明図や遺産分割協議書の作成、金融機関の手続きを、ご希望に合わせてお引き受けします。料金は相続手続きのサービス・料金をご覧ください。

費用の比べ方:自分でやる場合と任せる場合

自分で進める場合にかかるのは、戸籍や証明書の手数料(戸籍謄本450円、除籍・改製原戸籍750円など)と郵送料、登記の登録免許税などの実費です。専門家に任せる場合は、これに報酬が加わります。

一方で、自分で進める場合は「時間」と「やり直しの手間」がかかります。平日に何度も役所や銀行へ行く必要があるか、期限に間に合うか、相続人どうしの連絡を誰が担うか。費用だけでなく、こうした負担もあわせて比べると、ご自身に合った進め方が見えてきます。

よくあるご質問

Q. 相続手続きは本当に自分でできますか?

多くの手続きは、ご家族が自分で進められます。実際に、銀行の解約や役所の手続きはご自身で行う方がほとんどです。ただ、戸籍の収集や遺産分割協議書づくりは、相続人の構成によっては思った以上に時間がかかります。最初に全体を見通しておくと、途中で止まりにくくなります。

Q. 一部だけ専門家に頼むことはできますか?

できます。たとえば、戸籍の収集と相続関係説明図だけ、遺産分割協議書の作成だけ、といった頼み方もご相談いただけます。銀行の手続きはご自身で行い、書類づくりだけ任せる方も多くいらっしゃいます。

Q. 途中まで自分で集めた戸籍は無駄になりませんか?

無駄にはなりません。集めた戸籍はそのまま使えますし、足りない分だけを追加で取り寄せます。戸籍・住民票をすべてお持ちいただける場合は、料金から20,000円をお値引きしています。

Q. 相続人どうしで分け方がまとまっていません。

話し合いの前提になる戸籍の収集や財産の調査、協議書の案づくりはお手伝いできます。ただし、相続人の間ですでに争いになっている場合の交渉や代理は、弁護士の業務になります。その場合は相続に強い弁護士をご紹介します。

Q. 遠方に住んでいても相談できますか?

はい。オンライン相談(ビデオ通話)は全国からお受けしています。書類のやり取りは郵送で行えますので、横浜から離れた地域にお住まいの方や、故人の本籍地が遠方の方もご相談いただけます。

最終更新:2026年11月 監修:行政書士・1級FP・宅建士 櫻井高貴(横浜青葉相続遺言相談センター)

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