相続税申告は自分でできる?難易度の目安と、税理士に任せたほうがよいケース

相続税の申告は、税理士に頼まず自分で行うこともできます。結論からお伝えすると、法律上は相続人が自分で申告することができ、財産が預貯金と自宅程度で計算がシンプルな場合は、税務署の資料を見ながら自分で申告する方もいます。ただし、土地の評価や特例の判断など専門的な判断が多く、相続手続きの中でもっとも難易度が高い(5段階で★5)手続きです。申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

このページでは、相続税の申告を自分で行う場合の難易度、自分でできそうなケースと税理士に任せたほうがよいケース、手順、つまずきやすいポイント、そして途中で税理士に任せる方法を、相続手続きを専門にしている行政書士がまとめました。個別の税額の計算や特例が使えるかどうかの判断は税理士の業務ですので、このページでは一般的な説明にとどめます。

この記事の要点

  • 相続税の申告が必要なのは、遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合です。
  • 自分で申告することはできますが、難易度は★5。とくに土地の評価と特例の判断が難しいところです。
  • 小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減で税額が0円になる場合も、申告しなければ特例は使えません。
  • 申告に必要な書類集め(戸籍・残高証明書・評価証明書など)は、税理士に依頼する前でも進めておけます。

相続税の申告が必要か、まず確かめたい方へ

無料相談では、伺った財産から相続税の申告が必要になりそうか、試算される場合の目安をお伝えします。正確な税額の計算や特例が使えるかどうかは、相続税申告の際に税理士にご確認ください。申告が必要な場合は、相続に強い提携の税理士をご紹介します。

受付:平日9:00〜19:00。夜間・土日祝のご相談は、LINEのチャット・メール・お電話でご相談ください。オンライン相談(ビデオ通話)は全国からお受けしています。

相続税申告の難易度(自分で申告する場合の目安)

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ケース難易度ポイント
遺産が基礎控除以下で、申告そのものが不要—申告は不要。ただし基礎控除を超えないことの確認は大切
財産は預貯金だけ、相続人は少数★★★☆☆残高証明書・経過利息計算書を取得したうえで、不動産以外の相続財産を過不足なく計算・計上することが必要。
自宅の土地がある(路線価地域・形が整った土地)・預金以外の金融資産がある(証券・保険等)。★★★★☆路線価での評価と、小規模宅地等の特例の要件の判断が必要、証券、加入している生命保険・損害保険等の評価が必要。
土地が複数・形がいびつ・貸している土地や貸家がある★★★★★補正率・借地権・貸家建付地などの評価が必要
非上場株式(家業の会社)がある、生前贈与が多い、名義預金がありそう。生前の預金の移動が複雑。★★★★★評価も判断も専門的。税理士への依頼を強くおすすめします

難易度は、弊所でご相談を受けてきた経験と、提携の税理士から伺っている実務の傾向からの目安です。相続税は、申告したあとに税務調査が行われることもある税目です。申告内容に誤りがあると、あとから追加の税金や加算税がかかることがあります。また、夫婦での収入が共有されており、実際の収入から考えて、明らかに本人の財産が少ない場合なども、目を付けられる可能性が高くなりますので、強く税理士への依頼をお勧めします(夫の収入を妻の口座で全て管理をしていた場合など)。

自分で申告できそうなケース・税理士に任せたほうがよいケース

自分で申告できそうなケース

  • 財産が預貯金のみで、ご生前の入出金の内容をほとんど把握できている
  • ご家族内できっちり財産が分かれている
  • 生前贈与や、家族名義の預金がない
  • 平日に税務署へ相談に行く時間がある

税理士に任せたほうがよいケース

  • 土地が複数ある、形がいびつ、貸している
  • 自宅の土地に小規模宅地等の特例を使いたい(要件の判断が必要)
  • 家業の会社の株式がある
  • 亡くなる前の数年間に多額の贈与があった
  • 配偶者や子の名義になっている預金がある(名義預金)
  • 遺産分割がまとまっておらず、期限に間に合うか不安
  • 二次相続(残された配偶者の相続)まで考えて分け方を決めたい

自分で申告する場合の手順

  1. 申告が必要かを確かめる:財産の総額と基礎控除を比べます。国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」も目安になります(相続税申告の期限と基礎控除)。
  2. 戸籍を集めて相続人を確定する:法定相続人の数で基礎控除が変わります。
  3. 財産と債務を調べ、評価する:預貯金は亡くなった日の残高証明書と経過利息、上場株式は亡くなった日の終値や月ごとの平均のうち低い額、土地は路線価または倍率、建物は固定資産税評価額。生命保険金・死亡退職金・過去の贈与も確認します(相続財産の調査方法)。
  4. 遺産分割協議をまとめる:誰が何を取得するかで、使える特例や各人の税額が変わります。
  5. 申告書を作る:第1表から第15表まであり、財産の種類や特例に応じて必要な表を作ります。
  6. 税務署に提出し、納税する:故人の最後の住所地を管轄する税務署へ、10か月以内に提出・納付します。

自分で申告する人がつまずきやすいポイント

  • 土地の評価:路線価に、土地の形や道路との関係に応じた補正をかけます。ここで評価を誤ると、税額が大きく変わります。
  • 小規模宅地等の特例の要件:自宅の土地の評価を最大80%減らせる特例ですが、誰が取得し、その後も住み続けるかなど細かな要件があります。
  • 名義預金・生前贈与の扱い:家族名義でも、実質的に故人の財産と判断される預金は相続財産に含めます。
  • 書類集めに時間がかかる:金融機関ごとの残高証明書、評価証明書、戸籍などを集めるだけで1〜2か月かかることがあります。
  • 期限が迫って、税理士探しが間に合わない:期限の直前は、税理士も引き受けられないことがあります。

書類集めだけでも、先に進めておけます

弊所の「相続税申告パック」では、税理士に相続税申告を依頼する前提で、戸籍・残高証明書・評価証明書など申告に必要な書類の収集をお引き受けします。申告は相続に強い提携の税理士が担当します。

受付:平日9:00〜19:00。夜間・土日祝のご相談は、LINEのチャット・メール・お電話でご相談ください。オンライン相談(ビデオ通話)は全国からお受けしています。

途中から税理士に任せる方法

自分で申告の準備を始めたものの、土地の評価や特例のところで手が止まってしまった、という方は少なくありません。途中までの準備は無駄にはなりません。集めた残高証明書・評価証明書・戸籍・財産の一覧などは、そのまま税理士への依頼に使えます。

弊所では、そろっている書類を確認して足りないものを取り寄せ、相続に強い提携の税理士に引き継ぎます。相続税の申告と並行して必要になる、銀行の解約や不動産の名義変更の準備も、あわせてお手伝いできます。期限まで3か月を切っている場合は、できるだけ早めにご相談ください。

よくあるご質問

Q. 相続税の申告は自分でやっても問題ありませんか?

法律上、相続人が自分で申告することはできます。ただし、申告の内容に誤りがあると、あとから追加の税金や加算税がかかることがあります。土地の評価や特例を使う場合は、税理士にご相談いただくことをおすすめします。

Q. 税額が0円になりそうなら、申告しなくていいですか?

遺産が基礎控除以下なら申告は不要です。一方、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使って0円になる場合は、申告しなければ特例は使えません。この場合は、0円でも申告が必要です。

Q. 税務署で相談できますか?

税務署では、申告書の書き方などの一般的な相談に応じてもらえます(事前の予約が必要なことが多いです)。ただし、個別の財産の評価や、どう分ければ税金が少なくなるかといった判断まではしてもらえません。

Q. 行政書士に相続税の申告を頼めますか?

相続税の申告書の作成と、個別の税額の計算は税理士の業務です。弊所では、申告に必要な書類の収集や遺産分割協議書の作成を行い、申告は提携の税理士が担当する形でサポートしています。

Q. 相続税がかかるかどうかだけ知りたいのですが。

無料相談で財産の内容を伺い、相続税の申告が必要になりそうか、試算される場合の目安をお伝えします。正確な税額や特例が使えるかどうかは、申告の際に税理士にご確認ください。

出典:国税庁 タックスアンサーNo.4152「相続税の計算」、No.4205「相続税の申告と納税」、No.4124「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」(いずれも2026年11月5日確認)

最終更新:2026年11月 監修:行政書士・1級FP・宅建士 櫻井高貴(横浜青葉相続遺言相談センター)

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