相続税申告の期限は10か月|基礎控除の計算と申告が必要な人、特例の注意点

相続税の申告が必要になるのは、遺産の額(課税価格の合計額)が基礎控除額を超えるときです。結論からお伝えすると、基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で、これを超える場合は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に、故人の住所地の税務署へ申告と納税をします。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って税額が0円になる場合も、申告は必要です。

このページでは、申告が必要かどうかの目安、基礎控除の数え方、2024年から変わった生前贈与の加算、期限までの進め方を、相続手続きを専門にしている行政書士がまとめました。個別の税額の計算や、特例を使えるかどうかの判断は税理士の業務ですので、ここでは一般的な仕組みをご紹介します。

このページで分かること

  • 相続税の申告が必要になるのはどんなときか
  • 基礎控除額の計算と、法定相続人の数え方
  • 2024年から変わった生前贈与の加算
  • 申告期限までの進め方と、税額0円でも申告が必要な特例

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弊所では、戸籍の収集から始まり、名義変更に至るまでの一連の相続手続きについてご相談いただけます。相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士と連携してサポートしています。

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相続税の申告が必要になるのはどんなとき?

申告が必要かどうかは、故人の財産の合計から借入金や葬式費用を差し引き、一定の贈与財産を加えた「課税価格の合計額」が、基礎控除額を超えるかどうかで決まります。基礎控除額の範囲内であれば、申告も納税もいりません。

  • 含まれる財産:預貯金、土地・建物、株式や投資信託、自動車、貴金属など
  • みなし相続財産:故人が保険料を負担していた生命保険金や、死亡退職金。受取人の固有の財産ですが、相続税の計算では財産に含めます(一定の非課税枠があります)
  • 差し引けるもの:故人の借入金や未払いの税金・医療費、葬式費用(香典返しや法要の費用は含みません)
  • 加えるもの:亡くなる前の一定期間に故人から受けた贈与(下で説明します)や、相続時精算課税で受けた贈与

土地は路線価などで評価するため、固定資産税の評価額や売れそうな値段とは金額が違います。また、申告が必要かどうかを判定するときは、小規模宅地等の特例を使う前の金額で計算します。「特例を使えば基礎控除に収まるから申告はいらない」とはならない点に注意してください。

基礎控除額の計算と、法定相続人の数え方

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円
5人6,000万円
  • 相続放棄をした方がいても、放棄がなかったものとして人数に数えます。
  • 養子は、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までを数えます。
  • 子どもがいない場合は故人の父母、父母がすでに亡くなっている場合は兄弟姉妹が、配偶者とともに法定相続人になります。

相続人がだれになるかは、故人の出生から亡くなるまでの戸籍をたどって確認します。思わぬ相続人が見つかることもあるので、戸籍収集・相続人調査もご覧ください。

2024年から変わった生前贈与の加算

相続や遺贈で財産を受け取った方が、亡くなる前の一定期間に故人から受けた贈与(暦年課税の贈与)は、相続税の計算に加えます。この期間が、2024年1月1日以後の贈与から、3年から7年へ段階的に延びています。

亡くなった日加算する贈与の期間
2026年12月31日まで亡くなる前3年以内
2027年1月1日から2030年12月31日まで2024年1月1日から亡くなった日まで
2031年1月1日以後亡くなる前7年以内

延びた期間(亡くなる前3年より前)の贈与は、合計100万円までは加算しません。贈与税を納めていた場合は、その分を相続税から差し引けます。毎年の贈与を計画している方は、こうした改正もふまえて税理士に相談しておくと安心です。

申告と納税の期限、提出先

  • 期限:亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内。たとえば1月6日に亡くなった場合は11月6日です。期限の日が土日祝日のときは、その翌日(休み明け)が期限になります。
  • 提出先:故人の住所地を管轄する税務署。相続人の住所地の税務署ではありません。
  • 提出方法:e-Tax、郵送、税務署の時間外収受箱のいずれでも提出できます。
  • 納税:申告期限までに納めます。分割で納める延納や、財産で納める物納を希望する場合は、期限までに申請して許可を受ける必要があります。

期限を過ぎると、延滞税や無申告加算税がかかることがあります。10か月は長いようで、戸籍の収集、財産の調査と評価、遺産分割の話し合いをしていると、思いのほか早く過ぎてしまいます。

税額が0円でも申告が必要な特例

配偶者の税額軽減

配偶者が実際に取得した遺産のうち、1億6,000万円か、配偶者の法定相続分にあたる金額の、どちらか多い金額までは相続税がかかりません。この軽減を使って納める税額が0円になる場合でも、申告書に軽減を受ける旨を書き、必要な書類を添えて提出する必要があります。

小規模宅地等の特例

故人が住んでいた自宅の土地などを一定の親族が引き継ぐ場合に、330㎡までの部分について評価額を80%減らせる特例です(居住用の宅地の場合)。こちらも、申告書に特例を受ける旨を書き、必要な書類を添えて提出することが条件です。

どちらの特例も、原則として申告期限までに遺産分割がまとまっていることが前提です。間に合わない場合は、いったん分割されていないものとして申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておけば、3年以内に分割がまとまったときに特例を受けられます(分割の日の翌日から4か月以内に更正の請求をします)。特例が使えるか、税額がどれだけ変わるかは、税理士に確認してください。

相続税の申告が必要か、まず確認したい方へ

無料相談では、財産の内容をうかがって、申告が必要になりそうか、試算される場合の目安をお伝えします。正確な計算や特例は、申告の際に税理士にご確認ください。申告が必要な場合は、相続に強い提携の税理士をご紹介します。

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相続税申告までの進め方

申告書には、戸籍謄本、遺言書や遺産分割協議書の写し、特例を使う場合は相続人全員の印鑑証明書、財産の残高証明書や評価の資料などを添付します。どれも相続手続きの中で集めるものなので、早めにそろえておくと、税理士への依頼もスムーズに進みます。

二次相続も考えて分け方を決める

配偶者の税額軽減を最大限に使って、配偶者がほとんどの財産を相続すると、今回の相続税は少なくなります。ただ、その配偶者が亡くなったときの相続(二次相続)では配偶者の税額軽減が使えず、法定相続人も1人減るため、子どもたちの相続税が重くなることがあります。配偶者のこれからの生活資金や住まいとのバランスも含めて、今回と次回の相続を通して考え、税理士に試算してもらうと安心です。

自分で申告するか、税理士に頼むか

相続税の申告は相続人自身で行うこともできますが、土地の評価や特例の判断には専門的な知識が必要で、税理士に依頼する方が多いのが実情です。申告期限が近づいてからだと依頼先が見つかりにくいこともあるので、申告が必要になりそうだとわかった段階で相談するのがおすすめです。

当センターがお手伝いできること

代表の櫻井高貴は、行政書士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・宅地建物取引士の資格を持ち、相続手続きを専門にしています(代表あいさつ)。相続税の申告書の作成や税額の計算は、提携の税理士が担当します。弊所では、戸籍の収集から始まり、名義変更に至るまでの一連の相続手続きについてご相談いただけます。相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士と連携してサポートしています。申告に必要な戸籍や財産の資料の準備、申告後の預金や不動産の名義変更についても、あわせてご相談いただけます。料金は手続きのサービス・料金をご覧ください。

相談場所は、当センターの事務所(青葉台)と貸し会議室(BIZcomfort)です。ご自宅への訪問やオンラインでのご相談にも対応しています(相談場所のご案内)。お住まいの地域の相続手続き先は、横浜市の各区の相続手続き、川崎市の各区の相続手続き、東京都の町田市・大田区・世田谷区のページでご案内しています。手続き全体の順番は相続手続きの流れをご覧ください。

区ごとの相続手続きの窓口:横浜市(青葉区・緑区・都筑区・港北区・鶴見区・神奈川区・中区・西区・南区・港南区・保土ケ谷区・旭区・磯子区・金沢区・戸塚区・栄区・泉区・瀬谷区)、川崎市(川崎区・幸区・中原区・高津区・宮前区・多摩区・麻生区)

よくあるご質問

Q. 相続税の申告期限はいつですか?

亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。納税も同じ期限までに行います。期限の日が土日祝日のときは、その翌日が期限になります。

Q. 遺産が基礎控除額以下なら、何もしなくてよいですか?

課税価格の合計額が基礎控除額以下であれば、申告も納税もいりません。ただし、生命保険金や死亡退職金、一定の生前贈与も含めて判定し、小規模宅地等の特例を使う前の金額で比べます。税務署から「相続税についてのお尋ね」が届いた場合は、申告がいらない場合でも回答しておくと安心です。

Q. 配偶者がすべて相続すれば、相続税はかかりませんか?

配偶者が取得した遺産は、1億6,000万円か法定相続分のどちらか多い金額までは相続税がかかりません。ただし、税額が0円になる場合でも申告が必要です。また、二次相続で子どもたちの税負担が重くなることもあるため、分け方は慎重に考えましょう。

Q. 相続放棄をした人がいると、基礎控除額は減りますか?

減りません。相続放棄をした方がいても、放棄がなかったものとして法定相続人の数に含めて計算します。

Q. 遺産分割がまとまらないうちに、申告期限が来たらどうなりますか?

分割されていないものとして期限内に申告と納税をします。その際に「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておけば、3年以内に分割がまとまったときに、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を受けられます。

Q. 生前贈与は、いつまでさかのぼって加算されますか?

2026年12月31日までに亡くなった場合は、亡くなる前3年以内の贈与です。2024年1月1日以後の贈与から加算の期間が段階的に延び、2031年1月1日以後に亡くなった場合は7年以内になります。

Q. 相続税の申告は、行政書士に頼めますか?

申告書の作成や税務の代理は税理士の業務です。弊所では、申告に必要な戸籍の収集や財産の資料の整理、遺産分割協議書の作成についてご相談いただけます。申告が必要な場合は、相続に強い提携の税理士をご紹介します。

出典・確認日:2026年11月3日

最終更新:2026年11月 監修:行政書士・1級FP・宅建士 櫻井高貴(横浜青葉相続遺言相談センター)

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