遺言書の有無の確認方法|自宅・公証役場の遺言検索・法務局の保管制度の調べ方

ご家族が亡くなったとき、相続の手続きを始める前に確かめておきたいのが「遺言書があるかどうか」です。結論からお伝えすると、まずはご自宅や貸金庫など、故人が保管していそうな場所を探します。あわせて、公正証書遺言は公証役場の「遺言検索」で、法務局に預けた自筆証書遺言は法務局の「遺言書保管事実証明書」で、あるかどうかを確認します。封のある遺言書を見つけたら、開けずに家庭裁判所の検認を受けてください。

遺言書があるかどうかで、その後の進め方は大きく変わります。遺言書があれば原則としてその内容に沿って名義変更などを進め、なければ相続人全員で遺産の分け方を話し合います。このページでは、遺言書の種類ごとの探し方、公証役場と法務局での調べ方と必要書類、見つけたときにしてはいけないこと、見つからなかったときの進め方を、相続手続きを専門にしている行政書士がまとめました。

遺言書の確認から始まる相続手続きのご相談は初回無料です

遺言書があるかどうか分からない段階からでも大丈夫です。弊所では、戸籍の収集から始まり、名義変更に至るまでの一連の相続手続きについてご相談いただけます。相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士と連携してサポートしています。

受付:平日9:00〜19:00。夜間・土日祝のご相談は、LINEのチャット・メール・お電話でご相談ください。

遺言書の3つの種類と、探す場所・調べ方

遺言書にはおもに3つの種類があり、種類によって保管されている場所と調べ方が違います。まずは全体像をつかんでおきましょう。

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種類保管されている場所調べ方検認
公正証書遺言原本は作成した公証役場公証役場の「遺言検索」(全国どこの公証役場でも可)不要
自筆証書遺言(法務局に預けたもの)法務局(遺言書保管所)法務局で「遺言書保管事実証明書」を請求不要
自筆証書遺言(自宅などで保管)自宅、貸金庫、知人や専門家に預けている など故人が保管していそうな場所を探す必要
秘密証書遺言遺言書そのものはご本人が保管故人が保管していそうな場所を探す必要

ご自宅などで保管されていた自筆の遺言書には、公的な検索の仕組みがありません。そのため、公証役場と法務局で調べるのと並行して、身の回りを探すことが大切です。遺言書の種類や書き方そのものについては、遺言書の基礎知識で詳しくご紹介しています。

自宅・貸金庫など、故人が保管していそうな場所を探す

  • ご自宅:仏壇、机や鏡台の引き出し、金庫、書棚の本の間、通帳・権利証・保険証券などをまとめた書類入れなど、大切なものをしまっていた場所を中心に探します。
  • 貸金庫:銀行の貸金庫を開けるには、相続人全員の同意書や戸籍などを求められることが多く、手続きは金融機関によって違います。開けるときはほかの相続人にも声をかけ、できれば立ち会ってもらうと、あとで疑いを持たれずに済みます。
  • 預けていそうな人:親しいご親族やご友人、遺言執行者を頼まれていそうな方、生前に相談していた専門家や信託銀行などに、遺言書を預かっていないか尋ねてみます。
  • 手がかりになる書類:法務局に預けたときに渡される「保管証」、公証役場の封筒や公正証書遺言の「正本」「謄本」、手帳やエンディングノートのメモなどが見つかれば、遺言書のありかの大きな手がかりになります。

公正証書遺言は公証役場の「遺言検索」で調べる

公正証書遺言は、公証役場で公証人が作成し、原本は公証役場に保管されています。平成元年以降に作成された公正証書遺言は、日本公証人連合会の「遺言検索システム」で調べることができ、全国どこの公証役場でも、作成されているかどうかを検索してもらえます。故人が住んでいた地域の公証役場でなくてもかまいません。

項目内容
申し出できる人相続人などの利害関係人(遺言者がご存命のうちは、ご本人のみ)
申出先全国どこの公証役場でも可
手数料無料
必要なもの遺言者が亡くなったことが分かる除籍謄本など、申し出る人が相続人であることが分かる戸籍謄本、本人確認書類(顔写真付きの公的な身分証明書、または実印と発行から3か月以内の印鑑登録証明書)
検索で見つかったら遺言書を保管している公証役場に、遺言書の謄本(写し)を請求します

謄本の請求は郵送でもできます。郵送で請求するときは、保管先の公証役場に前もって連絡し、進め方や必要書類、手数料を確認しておくと安心です。窓口へ行く場合も、事前に電話で予約や持ち物を確認しておくと、二度手間になりません。

法務局に預けた自筆証書遺言は「遺言書保管事実証明書」で調べる

2020年7月10日から、自分で書いた遺言書(自筆証書遺言)を法務局に預けられる「自筆証書遺言書保管制度」が始まりました。故人がこの制度を使っていたかどうかは、法務局で「遺言書保管事実証明書」を請求すると分かります。内容を確かめたいときは「遺言書情報証明書」を請求します。

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手続き分かること・使い道手数料
遺言書保管事実証明書請求した人に関係する遺言書が保管されているかどうか1通800円
遺言書情報証明書遺言書の内容(写し)。相続手続きでは遺言書の原本の代わりに使えます1通1,400円
遺言書の閲覧遺言書をモニターまたは原本で見るモニター1,400円・原本1,700円(1回)
  • 請求できる人:相続人、遺言で財産を受け取る人(受遺者)、遺言執行者などです。遺言者が亡くなったあとでなければ請求できません。
  • 請求先:証明書は全国どこの遺言書保管所(法務局)でも請求でき、郵送でも請求できます。窓口へ行くときは予約が必要です。原本の閲覧は、原本を保管している法務局に限られます。
  • 必要なもの:遺言者が亡くなったことが分かる戸籍(除籍)謄本、請求する人の住民票の写し、相続人であることが分かる戸籍謄本などです。住所の記載がある法定相続情報一覧図の写しを使うと、審査にかかる時間が短くなるとされています。

法務局から届く2つの通知

法務局の保管制度には、ご家族が遺言書の存在に気づけるよう、2つの通知の仕組みがあります。

  • 関係遺言書保管通知:遺言者が亡くなったあと、相続人などのうちだれかが遺言書の閲覧や遺言書情報証明書の交付を受けると、ほかの相続人などにも「遺言書が保管されている」ことが通知されます。
  • 指定者通知:遺言者が預けるときに希望していれば、法務局が遺言者の死亡を確認したときに、遺言者があらかじめ指定した方(3名まで)へ通知されます。

こうした通知が届いたら、その遺言書は法務局に保管されています。関係遺言書保管通知を受け取った方は、証明書を請求するときに、遺言者の死亡が分かる戸籍などを添付しなくてよいことになっています(住民票の写しなどは必要です)。

遺言書の調べ方や、その後の進め方に迷ったら

公証役場や法務局で遺言書を調べるには、故人の除籍謄本や、相続人であることが分かる戸籍が必要です。弊所では、戸籍の収集から始まり、名義変更に至るまでの一連の相続手続きについてご相談いただけます。相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士と連携してサポートしています。

受付:平日9:00〜19:00。夜間・土日祝のご相談は、LINEのチャット・メール・お電話でご相談ください。

遺言書を見つけたら、開封せずに家庭裁判所の検認へ

ご自宅などで自筆証書遺言や秘密証書遺言を見つけたら、封がしてあっても開けずに、そのまま大切に保管してください。封のある遺言書は、家庭裁判所で相続人などの立会いのもとで開封することになっています。

  • 検認の申立て:遺言書を保管している人や見つけた相続人は、遺言者が亡くなったことを知ったあと、遅滞なく、故人の最後の住所地の家庭裁判所に検認を申し立てます。
  • 開けてしまったとき:家庭裁判所の外で開封すると、5万円以下の過料の対象になることがあります(民法第1005条)。ただし、開けてしまったからといって遺言書が無効になるわけではありません。あわてずに、そのまま検認を申し立ててください。
  • 検認がいらない遺言書:公正証書遺言と、法務局に預けてあった自筆証書遺言(遺言書情報証明書を使って手続きします)は、検認がいりません。

検認の流れや必要書類、費用は遺言書の検認手続きで詳しくご案内しています。

遺言書が見つからなかったとき・見つかったあとの進め方

探しても遺言書が見つからなかった場合は、相続人全員で話し合って遺産の分け方を決める遺産分割協議に進みます。話し合いの目安になるのが民法で定められた法定相続分ですが、全員が納得すれば、それと違う分け方にすることもできます。協議には相続人全員の参加が必要なので、まず戸籍収集・相続人調査で相続人を確定させます。

遺言書が見つかった場合も、遺言書に書かれていない財産が残っていたり、ご家族の受け止め方が分かれたりすることがあります。遺言の内容が有効かどうかで争いになりそうなときや、話し合いがまとまらないときは、弁護士への相談をおすすめします。

また、遺言書の有無にかかわらず、借金などのマイナスの財産が多い場合は、原則として自分が自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に相続放棄を検討することもあります。遺言書を探すのと並行して、相続財産の調査も進めておくと安心です。

当センターがお手伝いできること

代表の櫻井高貴は、行政書士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・宅地建物取引士の資格を持ち、相続手続きを専門にしています(代表あいさつ)。遺言書の有無を調べるには、まず故人の戸籍をそろえる必要があります。弊所では、この戸籍の収集から始まり、名義変更に至るまでの一連の相続手続きについてご相談いただけます。相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士と連携してサポートしています。料金は手続きのサービス・料金をご覧ください。

相談場所は、当センターの事務所(青葉台)と貸し会議室(BIZcomfort)です。ご自宅への訪問やオンラインでのご相談にも対応しています(相談場所のご案内)。お住まいの地域の相続手続きの窓口は、横浜市の各区の相続手続き、川崎市の各区の相続手続き、東京都の町田市・大田区・世田谷区のページでご案内しています。

区ごとの相続手続きの窓口:横浜市(青葉区・緑区・都筑区・港北区・鶴見区・神奈川区・中区・西区・南区・港南区・保土ケ谷区・旭区・磯子区・金沢区・戸塚区・栄区・泉区・瀬谷区)、川崎市(川崎区・幸区・中原区・高津区・宮前区・多摩区・麻生区)

よくあるご質問

Q. 遺言書があるかどうかは、どこで調べられますか?

ご自宅などを探すほか、公正証書遺言は公証役場、法務局に預けた自筆証書遺言は法務局で調べられます。ご自宅で保管されていた自筆の遺言書には公的な検索の仕組みがないため、故人が保管していそうな場所を探すことになります。

Q. 公証役場の遺言検索に費用はかかりますか?

検索の申出は無料です。見つかった遺言書の謄本(写し)を請求するときには手数料がかかるため、保管先の公証役場で確認してください。

Q. 遺言検索は、故人が住んでいた地域の公証役場でないとできませんか?

全国どこの公証役場でも検索してもらえます。お近くの公証役場に、除籍謄本や戸籍謄本、本人確認書類を持って申し出てください。対象は平成元年以降に作成された公正証書遺言です。

Q. 遺言書の封を開けてしまいました。無効になりますか?

開けてしまっても、それだけで遺言書が無効になるわけではありません。ただし、家庭裁判所の外での開封は過料の対象になることがあるため、これ以上手を加えずに、そのまま家庭裁判所に検認を申し立ててください。

Q. 遺言書が2通見つかりました。どちらが有効ですか?

前の遺言と後の遺言で内容が食い違う部分は、後の遺言で前の遺言を取り消したものとみなされると民法で定められています。食い違わない部分は、前の遺言も効力を持ちます。自筆の遺言書であればどちらも検認を受け、判断に迷うときや争いになりそうなときは弁護士にご相談ください。

Q. 遺言書はいつまでに探せばよいですか?

遺言書を探すこと自体に法律上の期限はありません。ただ、相続放棄は原則として自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内、相続税の申告が必要な場合は亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。遺産分割協議のあとで遺言書が見つかると話し合いをやり直すことにもなりかねないため、早めに探しておくと安心です。

出典・確認日:2026年11月3日

最終更新:2026年11月 監修:行政書士・1級FP・宅建士 櫻井高貴(横浜青葉相続遺言相談センター)

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