相続登記は自分でできる?難易度・必要書類・費用と、つまずきやすいポイント

相続した家や土地の名義変更(相続登記)は、司法書士に頼まず自分で申請することもできます。結論からお伝えすると、相続人が少なく、不動産が自宅1か所だけといったシンプルなケースなら、法務局の手続案内や記載例を使って自分で申請する方もいます。一方で、戸籍集め・申請書の作成・法務局からの補正対応と手間が多く、難易度は5段階で★3程度。相続人が多い、不動産が複数ある、古い登記が残っているといった場合は、一気に難しくなります。

このページでは、相続登記を自分で行う場合の難易度、必要書類、費用、手順、つまずきやすいポイント、そして途中で専門家に任せる方法を、相続手続きを専門にしている行政書士がまとめました。なお、相続登記の申請を代わりに行えるのは司法書士です(弊所は提携の司法書士と連携してサポートしています)。

この記事の要点

  • 相続登記は2024年4月から義務になり、取得を知った日から3年以内の申請が必要です(正当な理由なく怠ると10万円以下の過料)。
  • 自分で申請できますが、難易度は★3程度。相続人が多い・不動産が複数・古い登記がある場合は★4〜5になります。
  • かかる実費は、登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)と戸籍・証明書の手数料です。
  • 途中まで集めた戸籍や作った協議書は、そのまま司法書士への依頼に使えます。

相続登記の前の書類づくりから、ご相談いただけます

弊所では、戸籍の収集から始まり、名義変更に至るまでの一連の相続手続きについてご相談いただけます。登記の申請は提携の司法書士、相続税の申告は税理士と連携してサポートしています。

受付:平日9:00〜19:00。夜間・土日祝のご相談は、LINEのチャット・メール・お電話でご相談ください。オンライン相談(ビデオ通話)は全国からお受けしています。

相続登記の難易度(自分で申請する場合の目安)

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ケース難易度ポイント
相続人が配偶者と子だけ、不動産は自宅1か所、遺言書あり★★☆☆☆遺言書どおりに申請。戸籍も比較的少なくて済む
相続人2〜3人、不動産は自宅1か所、遺産分割協議で決める★★★☆☆協議書と全員の印鑑証明書が必要。いちばん多いケース
不動産が複数(土地が何筆もある、私道の持分がある)★★★★☆物件の書き漏れ(とくに私道・共有持分)が起きやすい
兄弟姉妹・おいめいが相続人、相続人が多い★★★★☆戸籍が大量になり、協議書の署名集めにも時間がかかる
数次相続(祖父母名義のまま)、古い抵当権が残っている、未登記の建物がある★★★★★登記の組み立て自体が複雑。司法書士への依頼がおすすめ

難易度は、弊所でご相談を受けてきた経験からの目安です。法務局の「相続登記の手続案内」(予約制・無料)では、申請書の書き方などの相談に乗ってもらえますが、書類の作成そのものは自分で行う必要があります。

自分で申請する場合の必要書類

遺産分割協議で不動産を取得する場合の主な書類です。遺言書で取得する場合や、法定相続分どおりに登記する場合は一部が変わります。

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書類取得先・作成者注意点
登記申請書自分で作成法務局のホームページに様式と記載例があります
故人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍本籍地の市区町村法定相続情報一覧図の写しで代えられます
故人の住民票の除票(または戸籍の附票)最後の住所地の市区町村登記簿上の住所とのつながりを示します
相続人全員の今の戸籍各相続人の本籍地一覧図があれば不要
不動産を取得する人の住民票住所地の市区町村—
遺産分割協議書自分で作成相続人全員の署名と実印の押印
相続人全員の印鑑証明書各相続人の住所地—
固定資産評価証明書(または課税明細書)不動産の所在地の市区町村(東京23区は都税事務所)登録免許税の計算に使います

自分で申請する場合の費用

費用目安
登録免許税固定資産税評価額×0.4%(例:評価額2,000万円なら8万円)
戸籍・除籍・改製原戸籍1通450〜750円×必要な通数
住民票・印鑑証明書・評価証明書1通200〜400円程度(自治体による)
登記事項証明書(登記後の確認用)1通500〜600円程度
郵送料申請を郵送する場合

評価額100万円以下の土地は、2027年3月31日まで登録免許税がかからない免税措置があります(申請書に根拠の条文を書く必要があります)。司法書士に依頼する場合は、これに司法書士の報酬が加わります(不動産の数や状況によって変わります)。

自分で申請する場合の手順

  1. 不動産を確認する:固定資産税の課税明細書や名寄帳で、故人名義の不動産をすべて洗い出し、法務局で登記事項証明書を取ります。私道や共有持分の書き漏れに注意します。
  2. 戸籍を集めて相続人を確定する(戸籍収集・相続人調査)。
  3. 遺産分割協議書を作り、相続人全員の署名・実印・印鑑証明書をそろえる(遺産分割協議書の書き方)。
  4. 登記申請書を作る:法務局の記載例を見ながら、不動産の表示を登記事項証明書のとおりに書き写し、登録免許税を計算します。
  5. 法務局に申請する:不動産の所在地を管轄する法務局へ、窓口・郵送・オンラインのいずれかで申請します。
  6. 補正の連絡に対応する:不備があると法務局から連絡があり、書類の差し替えや追加を求められます。
  7. 登記完了:1〜2週間ほどで完了し、新しい名義人に「登記識別情報通知」(昔の権利証にあたるもの)が交付されます。

自分で申請する人がつまずきやすいポイント

  • 不動産の書き漏れ:自宅の前の私道、ゴミ置き場の共有持分など、固定資産税がかからない土地は課税明細書に載らないことがあり、名義変更が漏れたままになりがちです。
  • 住所のつながりが証明できない:登記簿上の故人の住所が古く、住民票の除票では今の住所とつながらない。戸籍の附票や、古い住民票が必要になります。
  • 申請書の書き方:不動産の表示、登録免許税の計算(端数の切り捨て)、添付書類の書き方などで補正になることがよくあります。
  • 平日に法務局へ行く必要がある:手続案内の予約、申請、補正の対応、登記識別情報通知の受け取りと、何度か足を運ぶことになります。
  • 数次相続や古い登記:祖父母の名義のまま、昔の抵当権が消されていない、といった場合は、自分で進めるのは難しくなります。

法務局で補正と言われて止まっている方も

途中まで集めた戸籍や作った協議書は、そのまま使って続きを進められます。弊所で書類を整え、登記の申請は提携の司法書士が担当します。窓口は弊所ひとつで、専門家を別々に探す必要はありません。

受付:平日9:00〜19:00。夜間・土日祝のご相談は、LINEのチャット・メール・お電話でご相談ください。オンライン相談(ビデオ通話)は全国からお受けしています。

途中から専門家に任せる方法

相続登記を自分で始めたものの、途中で専門家に任せる方は少なくありません。ご相談の際は、集めた戸籍・作りかけの協議書や申請書・登記事項証明書・課税明細書・法務局からの連絡のメモなどをお持ちください。

弊所では、そろっている書類を確認して足りないものを取り寄せ、相続関係説明図・遺産分割協議書を整えたうえで、提携の司法書士に引き継ぎます。不動産の名義変更や売却に必要な書類の取得・作成だけをご依頼いただける「不動産名義変更・売却サポート」もあります(料金は相続手続きのサービス・料金をご覧ください)。相続した不動産の売却や、使わない土地の手放し方(相続土地国庫帰属制度)のご相談もお受けしています。

よくあるご質問

Q. 相続登記は自分でやっても大丈夫ですか?

法律上、相続人が自分で申請することは認められています。シンプルなケースであれば、法務局の手続案内を利用して自分で申請する方もいらっしゃいます。ただし、不備があると補正のために何度も法務局へ行くことになりますので、時間に余裕を持って進めてください。

Q. 自分でやると費用はどれくらい安くなりますか?

司法書士の報酬がかからなくなります。登録免許税や戸籍の手数料などの実費は、自分で行っても専門家に頼んでも同じです。

Q. 期限の3年を過ぎそうです。

相続登記は、不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する義務があります。遺産分割の話し合いがまとまらず間に合わない場合は、法務局に「相続人申告登記」をしておくことで、義務を果たしたことになります。2024年4月より前の相続は、2027年3月31日までが期限です(相続登記の義務化と名義変更)。

Q. オンラインで申請できますか?

法務省の申請用ソフトを使ったオンライン申請もできますが、添付書類の扱いなどに慣れが必要で、初めての方には窓口や郵送のほうが分かりやすいことが多いです。

Q. 行政書士に相続登記を頼めますか?

登記の申請の代理は司法書士の業務です。弊所では、登記に必要な戸籍の収集や遺産分割協議書の作成を行い、申請は提携の司法書士が担当する形でサポートしています。

出典:法務省「相続登記の申請義務化について」、法務局「相続登記の登録免許税の免税措置について」(いずれも2026年11月5日確認)

最終更新:2026年11月 監修:行政書士・1級FP・宅建士 櫻井高貴(横浜青葉相続遺言相談センター)

相続登記の準備から、まとめてご相談ください

登記の申請は提携の司法書士、相続税の申告は税理士と連携してサポートしています。無料相談の場でご契約を決めていただく必要はありません。

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